症状別の改善法|水虫

水虫とは
水虫は、非常に一般的な皮膚病で、「白癬菌(はくせんきん)」というカビの一種が、皮膚の表面に寄生することによって、皮膚に異常が起こる病気です。
主に、足水虫・足白癬は、通気性の悪い革靴などを長時間はいているサラリーマン男性などに多く、年配男性の病気というメージが強いですが、実は性別などには関係なく感染します。
パンプスや通気性の悪いブーツなどを履く女性も増えてきて、意外に若い女性も足の水虫に悩んでいるとされています。
水虫の症状には何種類かあり、小さな水ぶくれ(水泡)がプツプツできて、痒みを伴うこともあれば、足指の間の皮がむけてしまったり、爪が変色する(爪白線)こともあります。初期の症状を放っておくと、進行してしまい治りにくくなってしまいます。
水虫は、白癬菌が付着したからといって、すぐに感染して発症に至るわけではありません。白癬菌の付着の積み重ねと「高温多湿状態」でムレてしまうことの積み重ねが、水虫に進行する状況を作りだします。
例えば、水虫の人が歩いた床やマットの上を素足で歩くことによって白癬菌が付着します、長い時間ムレやすい靴を履いていたり、や靴下やスリッパを履き続けて足に汗をかいたりすると、水虫ができやすい環境ができあがってしまいます。
白癬菌は、温度が15度以上で湿度が70%以上の環境になると、急激に増殖する性質があるのです。水虫は、白癬菌が付着してから、長い期間を過ぎると症状が少しずつ進行していき、ふと気づいた頃に痒みとして自覚症状が出てきます。
そのまま適切な治療をせず放置してしまうとと、水ぶくれや皮むけなどの水虫症状が出てきてしまいます。初期段階であれば、水虫用の外用薬の塗布を続ければ、比較的早期の治癒が可能とされています。
どこかで白癬菌が付着してしまっていても、24時間以内にしっかりと足を洗うことができれば、白癬菌を洗い流せるため、水虫にはなりません。ただし、足の皮膚に傷などがある場合には12時間以内を推奨します。
一般的には、毎日の入浴時に足の指の間も含めて、キッチリと洗浄していれば大丈夫とされています。
足水虫・足白癬(あしはくせん)は、白癬菌が足の指や足の裏などの、皮膚の角質や皮下組織を侵食する事によって炎症などの皮膚症状が起きます。
- 「角化型白癬(かくかがたはくせん)」 足の裏の角質が分厚くなって硬くなるタイプ
- 「汗疱状白癬(かんぽうじょうはくせん)」プツプツした水疱や、薄く皮が剥ける皮膚剥離症状があり、発赤や痛痒感などを伴うタイプ
白癬菌は、高温多湿の環境を好むので、ムレやすい部位である足や、夏などに特に悪化しやすい傾向があります。足以外でも、白癬菌が付着し増殖する場所はあります。
皮膚表面に、汗や汚れが残っているようなアルカリ性の皮膚環境も、白癬菌が繁殖しやすい状態となります。毎日入浴して白癬菌を洗い流し、足や身体の皮膚を清潔に洗浄して、弱酸性の状態に保っていれば、感染は予防できるのです。
水虫の原因と症状
水虫の原因は、「白癬菌」というヒトの髪や爪、角質、動物の毛や鱗などに含まれるタンパク質「ケラチン」を好んでエサとして増殖する真菌・カビの一種です。
白癬菌は、足以外にも感染し、感染する部位によって、あらわれる皮膚症状は違ってきます。足にできる水虫には、趾間型・小水疱型・角質増殖型の3種のほか、爪に感染するものもあります。足以外にできるものもあります。
足の水虫(足白癬)
「趾間型」
足の指の間(特に中指と薬指の間)によく出現するタイプで、赤くジュクジュクして皮がむけたり、白くふやけてぶよぶよになったりします。
「小水疱型」
足の裏の土踏まずなどに小さな水疱がプツプツとできて、痒みが強いのが特徴です。
進行すると、赤くなってきて皮膚がボロボロとむけてきます。
「角質増殖型」
足の裏やかかとが、カサカサと乾燥して角質が分厚く硬くなってきて、皮膚がむけ、ひび割れを伴うのが特徴の水虫です。
爪の水虫(爪白癬)
爪全体が白っぽくなっています、爪の表面に縦ジワができたりします。塗り薬は効果が薄く飲み薬で治療します。
手の水虫(手白癬)
足の水虫と同じような症状が手にも出現する場合があります。
手は露出しているのもあって、洗浄もしますし、足水虫と比較すると発症するケース割合は少なく1割程度と言われています。
ぜにたむし(体部白癬):
顔面や首をはじめ、身体のアチコチの皮膚に、米粒大の紅色の丘疹ができて、次第に周囲に円状に広がって、炎症やかゆみをともないます。
ペットが水虫(白癬)にかかっている場合には、動物などからうつることもあります。
いんきんたむし(頑癬)
10代後半から20代の若い男性に多く発症し、臀部や太ももの内側、下腹部などへ広がり、痒みがひどくなります。
堤防状に隆起して、盛り上がりのない赤色の斑点が出現します。
しらくも(頭部白癬)
どもに多くみられる、犬・猫などのペットからの感染が増えている皮膚病です。頭部に、円形やだ円形の脱毛状態となります。
水虫の改善方法
水虫は、さまざまな症状がありますが、自己判断や放置が皮膚症状の悪化を引き起こし、結果的に長引かせることにつながってしまいます。「皮膚科」などを早期受診をすることが、完治への近道となります。
以前は水虫は治らないとされていましたが、抗真菌剤の外用薬をキチンと塗って気長に治療すれば、初期段階なら比較的軽いうちに治せます。
清潔な環境が一番なので、外出先から帰宅したら、必ず足をキレイに洗うことを徹底しましょう。足は、指の間の1本1本まで丁寧にやさしく、しっかり洗ってください。
抗真菌作用のあるソープなどを使用すれば、更に効果的です。靴も靴下も、毎日履き替えて、部屋の床は念入りに掃除し、素足で歩かないようにするなどの注意も必要になります。
足を洗った後で、水虫治療に用いる抗真菌薬の塗り薬を毎日キチンと塗ることが良いでしょう。抗真菌薬剤は、菌を殺す薬ではなく、菌の増殖を止める薬です。
白癬菌が感染している古い角質が、新しい細胞に生まれ変わって垢になって剥がれる期間、菌の増殖を食い止められれば、菌はすべて押し出されるために治ったことになります。
角質が生まれ変わるまでの期間は、1~2ヵ月と長いので、症状が消えてからも数ヶ月は塗り続けることが良いでしょう。皮膚症状がキイになったして、すぐに薬を塗るのを止めると、菌の増殖が再開してしまい、元に戻ってしまいます。
夏に発症した水虫を塗り薬で治療し、冬になり治ったと思って油断していたら、翌年の夏にはまた再発してしまうのはよくあるパターンです。
冬の間も抗真菌剤を塗り続けることがおすすめで、毎日の入浴時に抗真菌ソープでの洗浄を心がけ予防しておくことが大切です。
サンダルを履くなどして、足の指の通気性を良く保つこともポイントになります。足の指と指の間はムレやすく、汗もかきやすいので、5本指ソックスなどで足指をバラバラにすることも効果的です。
水虫の治療方法
水虫・足白癬は皮膚科を受診して、しっかり気長に治療していくことが大切になります。水泡などの症状が出ている患部だけでなく、その患部の周辺まで、ラミシールクリームなど外用薬は広めに塗ってください。
症状のない外側の患部周りから患部に向かって、外側から中心に薬を塗ることをおすすめします。
爪白癬の治療の基本は、ラミシールなど経口での内服薬となります。爪に入り込んだ白癬菌には、外用薬では効果が無いため、身体の内側から菌を抑制するためにラミシールなど内服薬を使用します。
服用期間は、爪が伸びきってしまうまでの半年から1年程度となり、ごく軽症なら外用薬でも効果がありますが、中レベル以上になると外用薬だけでの完治はなかなか難しくなります。
最近では、爪白癬へのレーザー治療も存在しますが、治療した爪だけですべての爪を治療するのは大変です。
水虫が悪化してしまったようなケースでは、内服薬と外用薬の併用治療をおこなうことも多々あります。薬剤での治療も何ヵ月もしっかり使用しなければなりませんし、日々の生活においても予防のための清潔保持には注意が必要です。
水虫は一度治療しても、また繰り返して再発しやすい病気なので、予防に努めることも大切になります。