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症状別の改善法|強迫性障害

強迫性障害とは

強迫性障害の「強迫」は人をおどす「脅迫」ではなく、ある思いや行為を強く迫(せま)られることです。たとえば、出かけるときに「ドアに鍵をかけ忘れた」という思いに取りつかれるのが強迫観念で、何度も引き返して確認せずにはいられないのが強迫行為です。

これはある程度はだれにでもある思考や行動ですが、それが度を越して日常生活に支障を与えるのが強迫性障害です。強迫性障害は不安障害の1種とされていて、不安障害には他に、パニック障害、社交不安障害、PTSD(外傷後ストレス障害)、全般性不安障害などがあります。

強迫性障害の発症年齢と患者数

強迫性障害は比較的若い年齢で発症するのが特徴です。平均発症年齢は20歳くらいで、過半数は18歳以下で発症しています。

1994年に欧米、アジアを含む世界7カ国で行なわれた調査によると、強迫性障害は50人に1人くらいが生涯に1度はかかる病気です。日本では患者数に関する詳しいデータが不足していますが、大きな違いはないと考えられています。

しかし、精神科を受診する人の数はそれより大幅に少ないのが実情で、その理由としては、病気を性格的なものと考えて治療をしない、精神科を受診することへの抵抗が大きい、などが考えられます。

しかし、強迫性障害は放置すると重症化して治りにくくなります。なるべく早く治療を開始することで軽症で済み、回復も早くなります。

強迫性障害の症状

強迫性障害の症状には「強迫観念」と「強迫行為」の2つの側面があります。理性では不合理だとわかっているのにその考えを頭から振り払うことができないのが「強迫観念」で、その観念に急き立てられて無意味だと分っていてもしなくてはいられないのが「強迫行為」です。強迫性障害の代表的な症状には次のようなものがあります。

① 確認強迫
戸締りや火の始末、電気の消し忘れなどが気になり、何度も確認しないと気が済まない症状です。いったん出かけた後、家に引き返すことが増えるなどで、日常生活に大きな負担になります。

② 汚染強迫と洗浄強迫
トイレに行った後、電車のつり革につかまった後などに、自分が汚れてしまった気がして、過剰に手洗いなどをする症状です。外出から帰るとすぐシャワーを浴びて服をすべて着替えないと気が済まないというケースもあります。日常生活への影響が大きく、外出を避けるようになることもあります。

③ 加害恐怖
車を運転していて、ちょっとした衝撃があると人をひいたのではないと気になりその場へ引き返す、あるいは翌日の新聞などで事故の記事がないか確かめる、などの強迫症状です。

身体的な加害だけてなく、代金をちゃんと支払わずに商品を持ち帰ったのではないか心配になるというケースもあります。いずれも加害の事実はないのですからいくら確認しても確信が得られず、不安が解消しないのが特徴です。

④ 被害恐怖
万引き犯と間違われるのではないか、痴漢と間違われるのではないかなど、何もしていないのに悪いことをしたと誤解されることを異常に心配し、不安になる症状です。

刃物や先のとがったものを見るとケガをするのではないかと不安になるというケースもあります。

⑤ 儀式行為
私たちは、眠りにつくために枕元に実際には読まない本を何冊も置いておくなど、実用的には意味のない行為を日課にしていることがあります。これを儀式行為といいますが、日常のいろいろな行為に過剰な儀式を持ち込んで、それをしないと気が済まなくなると、心理的な負担も実際の生活上の不便も大きくなります。

家具や机の上の小物の配置などに、正確さや左右対称性を過剰に求めるというケースもあります。

⑥ 縁起強迫(過剰な縁起かつぎ)
駐車スペースの番号が4や9だったりすると、ちょっと縁起わるいかなとはだれもが思いますが、そういうことを過剰に気にして絶対に避けようとすると日常生活に影響が出てきます。

縁起を過剰に気にすると、縁起が良いとか悪いとかいう自分なりのルールがどんどん増えてそれに縛られるようになります。例えば、読書を中断するときはページ数の末尾が0の切りよいところでなければならないなどの観念です。

また、何か縁起の悪いことをしてしまったときは、それを打ち消すような縁起の良いことをしたり考えたりしないといけない(中和しないといけない)という強迫観念にとらわれるケースもあります。

⑦ 強迫的緩慢
儀式的行為や縁起かつぎが増えると、なにかをするときの順序や正確さが異常に気になり、それを確認するため動作が緩慢になります。

⑧ ため込み
断・捨・離の反対で、捨てたら二度と手に入らない、後悔する、などの観念に取りつかれて物が捨てられず、家のなかが不用品でいっぱいになるケースです。

強迫性障害の原因

強迫性障害が発症する詳しい原因は分っていません。しかし、上記のような症状には脳内神経伝達物質のセロトニンの不足が関係していると考えられています。

脳は神経細胞の集合体ですが、神経細胞同士はシナプスという接続部分で1種の電気信号で情報のやりとりをしています。この情報交換に欠かせないのが神経伝達物質といわれるもので、セロトニンもその1つです。

強迫性障害の症状は、抗うつ剤であるセロトニンの量を増やすSSRI(選択的セロトニン再取込阻害薬)という薬を飲むと改善するので、セロトニンの不足によって発症すると考えられています。

心理的な外傷体験などが発症のきっかけになることがありますが、その詳しいメカニズムは分っていません。

強迫性障害の治療

強迫性障害の治療は精神科または心療内科が専門になります。治療の内容は薬物療法と認知行動療法という心理療法の2本柱で行ないます。最初は薬物療法が中心になりますが、少しずつ心理療法も取り入れていくことで症状の改善が早まります。

強迫性障害の薬物療法

強迫性障害の治療には抗うつ剤のSSRI(選択的セロトニン再取込阻害薬)が使用されます。そのなかでも第一選択となるのがフルボキサミンですが、パロキセチンとエスシタロプラム(レクサプロ)もよく使われています。

SSRIは脳内のセロトニン濃度を少しずつ増やしていって症状を改善するお薬です。低用量から始めて、ようすを見ながら少しずつ薬の量を増やしていきます。薬が効き始めるまでに2~3週間かかるのが普通です。

強迫性障害は他の不安障害やうつ病より高用量のSSRIを服用する必要がある病気です。薬を飲むことをこわがらずに、きめられた量をきちんと服用することが大切です。

薬物療法ではSSRIの他に、医師の判断で抗精神病薬などが使用されることがあります。

強迫性障害の心理療法

強迫性障害の心理療法は「認知行動療法」が中心になります。認知行動療法とは、その人の考え方の自分では気づきにくい「クセ」「傾向」「ゆがみ」に気づいて、それに基づく行動を修正していくことです。

例えば、縁起が悪いと思っていた4や9という数字をあえて使うことで、別に何も悪いことが起きないことを確かめる、などです。過剰に縁起をかつぐ認知のゆがみを自覚して、それを避ける行動を妨害し、修正していくのです。これは「暴露反応妨害」という認知行動療法の1つです。

電車のつり革に触るとばい菌が伝染するという強迫観念がある人には、あえてそれを触ることで、触っても病気になるわけではないということを学習します。

暴露反応妨害法は医学的に効果が確認された方法ですが、家族などが患者に強制すると逆効果になることがあるので、専門家の指導の下に行う必要があります。